宮田醤油店について

HISOTRY

そのひと雫に、思いを込めて。

小さな醸造所だからこそできる伝統と挑戦。
昔も今も醤油のおいしさを探求しています。

醤油は毎日のように使う日本人にとって身近な調味料。
炒め物や煮物の味を調えたり、刺身や寿司に添えたり、そばやうどんのつゆの味を決めるのも醤油です。
ひと雫、たった一滴で料理の味を変えてしまう醤油だからこそ、わたしたちは、一つひとつの工程を大切にし、丁寧に醸造します。
それは、明治の創業当時から代々、受け継がれてきた精神。
宮田醤油店は、これからも醤油のおいしさを探求し続けます。

大正10年(1921年)の宮田醤油店

大正10年(1921年)蔵の前で。真中は宮田重治とその左は23歳の喜代治。蔵人達は宮重支店と書かれた半纏を身にまとっている。壹等賞金牌の文字が読めることから受賞の記念撮影と思われる。

呉服屋から醤油屋へ、「キボシ」の始まり
醤油で「盛岡の味」を目指す

120年近い歴史を持つ宮田醤油店は三ツ家の酒造工場から始まりました。

宮田醤油店の始まりは1904年(明治37年)までさかのぼります。
当時の当主、宮田重治は盛岡市材木町で呉服屋「宮重呉服店」を営んでおり、副業として三ツ家(現・盛岡市城西町)にあった藤田酒造工場を土地と建物ごと買い取り、「宮重呉服店醸造部」として醤油・味噌・酢の醸造を始めました。工場は盛岡と秋田を結ぶ秋田街道沿いにあり、交通の便もよい場所でした。
重治は4年後、次男の福治を分家して、味噌醤油業を独立させます。
早くも1911年(明治44年)に名古屋で開かれた全国品評会では2、3等の栄誉を得たようです。しかし、福治は46歳の若さで死去し、跡を継いだのが盛岡中学に在籍していた18歳の喜代治でした。

宮田醤油店の屋号である「キボシ」はこの喜代治の代に生まれました。喜代治の「喜」の字を「㐂」とし、その下に星の印の「●」を加え、「キボシ(㐂星)」としたのです。誰にも愛される地域の星(味)となるようにと想いを込めたのかもしれません。
明治から大正、昭和、平成へと時代が変われども、宮田醤油店は、明治に建てられた重厚な町家で醤油を造り続けました。雫石川にかかる太田橋から盛岡市内に向かう幹線道路沿いにあった工場を覚えている方もいらっしゃるかもしれません。仕込みが始まる初冬に、大豆を蒸す湯気が立ち上り、もろみを搾る香りは、冬の風物詩のひとつでした。

「いい水」が湧き出す雫石へ
岩手山を望む地で新たな挑戦

今まで以上に、地産地消を大切にしながらのものづくりを。

創業以来、盛岡市城西町で醤油造りをしてきましたが、時代と共に工場周辺の環境が変化し移転を考えるようになりました。移転の条件は醤油の命である良質の水があるかどうか。数年をかけ、盛岡市の隣、雫石町に清らかな水が湧出する地を見つけ、1997年(平成9年)、新工場を建設しました。
新工場は秀峰・岩手山の懐にあり、奥羽山脈を源とする葛根田川、竜川、南川などの清流に恵まれています。また町のあちこちで名水が湧出する、水に恵まれた地でもあります。
良き水と出会った私たちは、季節に合わせた昔と変わらない醤油の醸造を続けながら、新しいことにも取り組み始めました。そのひとつが、今まで以上に地産地消を大切にしながら物作りをしていくということ。そして、家庭のみならず飲食店向けの商品も数多く手がけるようになりました。
新工場から盛岡駅までは車で約30分。今でも変わらず盛岡市内に醤油をお届けしています。また、私たちの醤油の味をもっと知ってほしいと思い、新工場には直売所「キボシSHOP」をオープンしました。定番の丸大豆しょうゆのほか、キボシ醤油、そばつゆ、関連企業の山田の醤油など宮田醤油店の全商品を扱っています。たくさんあるラインナップの中から試して買いたいという方のために、近隣のもやし製造会社とコラボした「もやし食べ放題」の試食コーナーも始め、お客様との間に新たな交流が生まれています。

醤油がつなぐ山田町との縁
キボシの伝統を受け継ぎ、これからも。

盛岡から岩手へ。みなさまの食卓に届けたい宮田醤油の味。

かつて、三陸沿岸の山田町に「山田の醤油」と呼ばれた醤油がありました。醸造していたのは、現在、山田町内でスーパーマーケットを展開する、びはん。大正時代に醤油醸造を始めましたが、昭和で途絶えてしまいました。
しかし、平成に入り、その味を再現したいと先代社長の間瀬半蔵氏(現会長)が宮田醤油店に製造を依頼し見事復活。山田の醤油は、昔のように浜の人たちに愛されました。
しかし、そこに起きたのが、東日本大震災です。
びはんはすべての事業所を失いましたが、山田の醤油は宮田醤油店の工場がある雫石町で醸造されていたため、被災を免れました。そのおかげもあり、震災直後もすぐに販売することができ、山田の醤油は全国に知られるようになりました。
2020年(令和2年)6月、山田の醤油の製造元である宮田醤油店は、びはんへ事業譲渡しました。かつて、びはんが山田町で醤油を造っていた醸造家であったこと、宮田醤油店が山田の醤油の復活に協力したこともあり、深い縁が両社を繋ぎました。また、当時びはんの専務であった間瀬慶蔵氏(現社長)が、さまざまなアイデアと行動力を持って、震災後の山田町のために奔走していたのを見た宮田克明会長(現宮田醤油店顧問)が、今後の宮田醤油店を託すに適任と考えました。
宮田醤油店は、安全で高品質な製品づくりをモットーにJAS認証の取得や、全国醤油品評会農林水産大臣賞を受賞するなど、伝統の味を守り続けています。
その歴史の重み、伝統の技と最新の技術を受け継ぎ、「盛岡の醤油店」から「岩手の醤油店」へと、ひと雫に想いを込めて、醤油造りに邁進していきます。

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